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~思いのままに~ Website編集長の声

~思いのままに~ Website編集長の声 

 

第1回 「初めての試み」


日本音楽舞踊会議Website編集長の小西徹郎です。ここに編集長として、またあるときは一人の人として、またあるときは一芸術家としての声を載せていきたいと思います。音楽と社会とのつながりをより密接にしていきたい、それが大きな願いです。社会に貢献できる音楽人でありたい、そのように常に願っております。音、音楽という目には見えないものを生きる糧としている私たちは物質だけではない、心の豊かさを求めていくことがまさに文化創成なのではないでしょうか。そのように思います。   
2014年12月22日 小西徹郎

 

 

第2回 「新年のご挨拶」

 

新年 明けましておめでとうございます。2014年は大変お世話になりました。2015年もどうぞよろしくお願い申し上げます。また、皆様の益々のご発展とご多幸を心よりお祈りいたしております。「芸術と社会との界面を広げていく」このことはおそらく何年経っても変わらぬ目標だと思っています。芸術を通じて、バランスの良い社会となるために常に努力していきたい、そのように思います。そして若い人たち、子供たちとのふれあいの中で善き人として育て育み、将来、芸術が更に盛んになっていくことを心より願っております。皆様、今後とも何卒よろしくお願いいたします。

2015年1月2日 小西徹郎

 

 

第3回 「21世紀の音楽」

 

先日とある講習会にて音楽の歴史、大きな流れ、そこから21世紀の音楽について考える時間がありました。古くからあり、これからも守られてゆくべき音楽、そして時代、時間、テクノロジーとともに新たな歩みをみせていく音楽、その新たな音楽、つまり、21世紀の音楽とは何なのか?そして21世紀の音楽の中に残る血流とは何か?を考えていく時間はとても豊かな時間であります。時代の流れの中で「消費」されていく音楽ではなく、「血流」を大切に育まれていく音楽を、そんな21世紀の音楽を私も作っていきたい、そのように思います。

2015年2月1日 小西徹郎

 

 

第4回 「”良き繰り返し”と”幸せの増幅”」

 

3月に入りました。もう間もなく雛祭りであります。そして3月11日は東日本大震災から丸4年となります。あっという間、と感じますが、被災地や原発周辺では当時のまま時間が止まっています。落ち着きを取り戻したかのように感じますが実は試練と闘いは続いているのです。2011年を境に文化、芸術と社会との接点、界面ということを真剣に考え始めました。今、世界を取り巻く様々な環境を考えたとき、また歴史を紐解いていたときに感じるのは人の根っこの部分は決して変わらないのだなということです。それは良きことも悪しきこともです。「歴史は繰り返す」とよく言われます。思います、歴史は「姿を変え」「繰り返されて」いると。ただ、願わくば、良きことを「繰り返して」いってほしいです。「良き繰り返し」は「幸せの増幅」となるからです。

2015年3月1日 小西徹郎

 

第5回 「その人を伝えていく」

 

言葉、道具、生み出してきた人間は素晴らしいものです。人間は言葉で何を伝え、道具で何を作るのか?その先がとても重要です。何故なら、言葉を使って幸せな気持ちになるような文を書くこともできれば、攻撃することも罵ることもできるからです。また、道具を使って生活を豊かにするものを作ったり、美しい音色を奏でる楽器を作ったりすることもできれば、人を不幸にする機械も、また、「機会」も作れるからです。芸術も同じく言葉や道具、知恵を使います。生まれてきた作品や表現が人に届くとき、それは作品が届くのではなく、作品や表現を通じて「その人」が伝わっているのだ、ということを肝に銘じていることが大切です。常に、音楽の向こう側には音楽を通じて姿を変えた自分の分身が無言で雄弁に語っているのだということを肝に銘じながら活動をしていたいと思います。

2015年4月1日 小西徹郎

 

 

第6回「矛盾」

 

「淡白で深みのある甘さ」という表現。人の感性は矛盾だらけですね。ですが、その矛盾が素晴らしいと私は感じます。音楽のストーリーは時間と音色によって語られますが味のストーリーは味覚の層によって語られるのかもしれませんね。時間としては儚すぎる味覚。だから多くの層があるのでしょう。さて、話があっという間にそれてしまいました。この「矛盾」、芸術における「矛盾」は予期せぬ美への感動と空想に染み込む甘い蜜、でありますが、世の中にあふれる矛盾はトラブルのもとでもあります。人という生き物は単純なようで複雑なのですね。お?人そのものも矛盾した生き物なのかもしれませんね。

 

4月25日に起きたネパールでの地震、東日本大震災を経験した私達日本にとって、とても他人事とは思えません。亡くなられた方のご冥福を心よりお祈りいたしますとともに遺族の方々の心の傷が少しでも癒えますように。また現地で救助活動をされてらっしゃる皆様の健康を願っております。少しでも早く救助がおわり復旧そして復興にむかうことを心より願っております。

2015年5月1日 小西徹郎

 

 

第7回 「音楽と時間」

 

6月になりました。新緑は深まり深緑となり、いよいよ夏本番であります。季節の移ろいが緩やかであるように、音の移ろいも緩やかであります。私達人間という生き物はこの季節の移ろいや地球が生きてきた年輪の中の僅かな時間の中にドラマを生み出します。音楽、芸術はまさに人間が生み出したドラマの結晶のようなものですね。「人間らしいこと、もの」ここに音楽、芸術は何かのかたちになり残ります。でも、少しだけ、耳をすましてみましょう。日常の人の営みに混ざって自然の営みがきこえてきます。自然の営みの音は人にとっては「無意識なもの」としてつたわります。地球という生き物が歩んできた時間の膨大さはこれらの自然な音の中に散りばめられていますね。私達人間は自然になろうとしても自然にはなれません。そのことこそが「人間らしさ」であります。ですが、「人間らしい音楽」だけでなく、少しだけ自然や地球の時間に目を向けてみると地球の音楽が見えてきますね。私達人間には自然の音楽はできません。ですが、地球や自然の生きてきた時間を音楽として「切り取る」ことはできるでしょう。そういう音楽をしていたいものです。

2015年6月3日 小西徹郎

 

 

第8回「アーティストマインド」

 

梅雨の時期であります。梅雨の雨は心を少々しょっぱくしてしまいがちですね。今月は心に残るお話をします。もう20年以上前の学生時代、私はコンサートスタッフのアルバイトをしていました。舞台を組み、ゲネ、本番をし、またバラす。人材不足であっという間にチーフになってしまったのですがこれもまたとても楽しい経験でありました。

オカリナの宗次郎さんのツアーのときでした。今までのタレントさんとはまったく異なる或る意味「型破り」な行動にとても感動したことがありました。通常、タレントさんは新幹線を降りてもファンに追いかけられないために堅牢な警護の中タクシーに乗り込み会場入りします。が!宗次郎さんご一行は違った!彼らはコンサートホールの目の前のうどん屋から「いやーおいしかったね!」と出てこられたのです!びっくりしました。そして、コンサートが終わってバラシのときに、普通ならタレントさんはすぐに打ち上げ会場に移動しますが、宗次郎さんはアルバイトスタッフにまで一人一人に「ありがとうございます!お世話になりました」と挨拶をされていました。この宗次郎さんの人としての姿勢に私は感動しました。この人の音楽のファンでよかった!幸せだ!と思いました。だから、私は宗次郎さんの「人としての姿勢」を大切にしたいと常に思っているのです。

2015年7月2日 小西徹郎

 

 

第9回 「日本人の血」

 

猛暑が勢いをつけてやってきていますね。皆様いかがお過ごしでしょうか?先月、仕事で渡米しておりました。ボルティモア市からの招聘でアートフェスティバル、ARTSCAPEに出演、また自主公演も行ってきました。関係者、そしてお客様のあたたかいもてなしに心より感謝いたしております。いつも思うのですが、海外でパフォーマンスをするときに、今まではどうしても肩に力が入りすぎていました。ところが、最近では緊張もせず、心も身体もナチュラルな状態で舞台に入り込むことができるようになりました。以前、ヨーロッパにいるときに「世界中どこに行っても自分自身は変わらない」ということに気がつきました。そこから心も身体もナチュラルにパフォーマンスをするようになりました。確かに西洋音楽で育っていますが、どんなに西洋のメソッドに沿ってやっていても、やはり心の中は日本人の血が流れているのだなと実際に演奏している瞬間も冷静に感じています。日本人の血とは生まれ備わったもの、そこを大切にこれからも良き舞台を志したいと思います。心は熱いですが、毎日こう暑いと身体がまいりますね。皆様水分をしっかりと採って健やかな夏をお過ごしください。

2015年8月1日 小西徹郎

 

 

第10回 「ひとつ、の大切さ」


繰り返しているようで、実は単に繰り返しではなく静かに何万年もかけて受け継がれている人の営み。私は稚拙ではありますが時間をさかのぼって太古への想像の旅をします。歴史を辿り、その歴史から歴史の外側を思い巡らせる、そんな想像の旅は、ときには深く傷つき、ときには深く感動し、ときには広く、大きく物事が見えてきます。人、芸術も元々は「ひとつ」だったのでしょう。その「ひとつ」からカテゴライズ、細分化が始まり、飽和すると統廃合され、また細分化されていったのでしょう。今、この現代に生きていて感じるのは「”元々”ひとつだったものが細分化されていくと力を失っていく」ということです。細分化されてしまうと視野を失いがちになり、「元々のひとつ」を忘れてしまいがちです。私は「元々のひとつ」を大切にパフォーマンスをしていきたい、そのようにいつも思っています。
2015年9月1日 小西徹郎

 

 

 

 

第11回「年も新たに」

皆様、新年明けましておめでとうございます。昨年は誠にお世話になりました。本年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。世界中が不安定な中、深刻な問題も多々あった昨年でありました。また身近では、かけがえのない大切なものが失われてしまうこともありました。私たちにとって、人にとって、社会にとって必要不可欠であり大切なものとは何なのか?そのことを深く知る、そんな昨年でありました。私たちの人生において大切なこと、それは「音楽を届ける」「社会と共に生きる」「遺し、受け継ぐ」ことだと思っています。音楽、芸術に生きる私たちにとって大切なこれらを、今年だけに限らず、生きている時間をかけて継続、発展させていくことが人生における幸せなのではないかと思っています。皆様にとって2016年が心豊かに、実り多き年であることを心より祈念いたします。

 

2016年1月1日 小西徹郎

 

第12回「食習慣」

 

暖冬、といわれていましたが、ここのところ本来の冬の寒さが続いております。風邪やインフルエンザなど患ってらっしゃる方もいらっしゃいますね。季節の厳しいとき、やはり身体を健康に保つためには食事はとても大切です。最近、私の食生活は野菜中心の薄味でなれていてたまに外食などをすると味が濃く感じられます。この食生活で調子がよくなったのは胃腸です。もともとあまり丈夫ではない胃腸が食生活で改善傾向にあります。習慣、日々の生活は大切ですね。良い食習慣は身体の健康を、また豊かな文化が根付いた日常生活は良き音楽を生み出すのでしょう。良いものを取り入れつつ、また良いものの対極にあるものも知りながらこの寒い日々を元気にお過ごしくださいませ。

 

2016年2月11日 小西徹郎

 

第13回「5周年」

 

今年で東日本大震災から5年が経ちました。それはまるで、止まった時計のように過ぎていきました。5年経っても10年経っても何十年経っても生きている間は、いえ、その魂は永遠にこのつらい「事実」を忘れることはできないでしょう。ただ、当事者以外の人々はどうしても記憶が薄くなりがちですし、社会全体では風化してしまいがちです。風化させてはいけない、ということで先日、アメリカに住む日本人の友人たちが「東日本大震災5周年チャリティーコンサート」を行いました。このコンサートの義援金は宮城県立 石巻西高等学校におくられるとのことです。どんなに遠く離れて住んでいても、決してあの日のことを忘れない、という強い意志に心を打たれます。東北、東日本、いえ、世界の皆さんが笑顔で健やかに充実した人生を送っていけることを心より祈念いたしております。

 

2016年3月6日

 

 

第14回「あふれる音」

 

春の足音がきこえてきました。と思いきや、駆け足のごとく桜は咲き、菜の花たちは優雅にダンスしています。ウグイスの挨拶も、風の知らせも、太陽の声も、地中の井戸端会議も、まさに春の音です。人間社会の届かないところでは春の音があふれています。人間社会にも音はあふれています。木の葉のように流れていってしまうBGM、車の音、機械音。人間の日常に必要なものは常に過多で大げさに音をあふれさせてしまっています。これらの音の洪水に慣れてしまう人、うるさく、無駄に感じてしまう人、それぞれの感性によって捉え方は異なります。自然界の生き物や植物は人間が出す音をどう感じているのでしょうか?植物は人間のように音をきくということをしないと思いますが、本当はどうなのでしょう?人間社会にあふれる音は人間にしかきこえないのかもしれませんね。そう考えますと、どんな音も大切だと思いますが、個人的には人間社会からあふれてくる音は苦しく感じます。もし、いきなり大都会の音が完全に無音になってしまったら、きっと人間は、やっと身体の中の音に耳を傾けるのかもしれません。良い春を!

2016年4月4日 小西徹郎

 

 

第15回 「熊本の食べ物」

2016年4月14日21時26分に熊本地震がありました。その28時間後の4月16日1時25分にも大きな地震が襲い掛かってきました。テレビやインターネットでしか情報は得られませんでしたが、建物の倒壊、また熊本城をはじめ、重要な文化財が大きな打撃を受けてしまいました。ゴールデンウイークの初日には全国からボランティアの方々が熊本にたくさん集まりました。改めて、普段はあまり見ることのできない日本人の団結力を垣間見ることができました。私には何ができるだろうか?そんな思いが胸をよぎりました。募金をして、心から復旧と復興を祈っています。ですが、もっと身近に自分自身でできることがありました。「熊本産の野菜や果物、名産を食べて応援」これです。熊本はスイカの出荷量が全国シェアナンバーワンだときいています。その他にもデコポン不知火や晩白柚などおいしいものがたくさんあります。また、大手チェーンでも人気の太平燕も私は好物です。まずは食べて応援。そして落ち着いて機会あらば、ぜひ熊本に訪れたいと思います。被災されてお亡くなりになった方も多くいらっしゃいます。心よりご冥福をお祈りいたします。また、復旧のめどがたっていない地域の方々、避難生活を余儀なくされてらっしゃる方々が一日も早く良き日常を取り戻されることを心より願っております。
2016年5月1日 小西徹郎

 

 

 

 

 

 

 

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